宗教法人 犬の良さ

司法試験、予備試験、ロー入試の過去問解答案

刑法上の「罪数」について

移動中に刑法の条文を素読してたら罪数のあたりについてまとめたくなったので備忘録も兼ねて更新

観念的競合(54条1項前段)→1つの行為が2つの構成要件に該当している場合。

e.g.警察官を殴った場合、傷害罪と公務執行妨害の二つが成立し、重い刑が軽い刑に吸収される。

 

 

牽連犯(54条1項後段)→犯行の手段または結果である行為が他の罪名に触れること。

住居侵入と窃盗・強盗・殺人・強制性交・傷害・放火、文書偽造とその行使・詐欺との間に認められている。

e.g.他人の住居に侵入し、他人の財物を窃取した場合。

この場合、住居侵入と窃盗罪は牽連犯となり、重い方の刑により処断される。

 

併合罪(45条)→確定判決を経ていない2個以上の罪が存在する場合。

e.g.人を殴った次の日に他人を財物を窃取した場合。

この場合、暴行罪と窃盗罪し、重い方の刑を1.5倍したものを長期としている。

(この場合、暴行罪は2年以下の懲役、窃盗罪は10年以下の懲役の為、重い方である10年を1.5倍した15年以下の懲役が科される。)

 

包括一罪→複数の犯罪行為を一つに包括すること。

①同じ数個の罪を吸収して一罪とする場合

e.g.一人の被害者を立て続けに2回殴った場合。

この場合、(1)時間的な接着性、(2)法益侵害の同種性が認められるため、2個の暴行罪ではなく1個の暴行罪が成立する。

※二人を立て続けに殴った場合は包括的一罪ではなく、併合罪となる。

②軽い罪が重い罪に吸収される場合。

e.g.窃盗後に暴行を加えて財物を強取した場合、窃盗罪は吸収され強盗罪が成立する。

e.g.包丁を人を殺した際に、衣服が破れた場合、器物損壊罪は殺人罪に吸収される。

この場合は、当然吸収後の重い罪が科される。

 

 

以上。刑法総論、仕組みを理解してくる結構面白いなって感じてます。